目次
腸活フードで腸内環境が悪化する原因
結論:「SIBO」「IBS」「リーキーガット」を疑おう!
「SIBO」「IBS」「リーキーガット」
SIBOとは
SIBO:小腸内細菌増殖症とは
正常な小腸は細菌も多くは存在せず、ガスも少なく、栄養を吸収する働きをしています。
様々な原因から小腸内細菌が急激に増殖し、豊富な栄養を分解して多量のガスを産生してしまうケースがあります。これをSIBO(小腸内細菌増殖症)といいます。小腸が発生した多量のガス(メタンや水素ガス)により著しく拡張し、お腹が膨らむことで腹痛が起こります。
IBSとは
IBS:過敏性腸症候群
ストレスによって不安な状態になると、自律神経やホルモンが乱れます。そのため腸の蠕動運動が不安定な状態になります。さらに痛みを感じる知覚過敏の状態になり、便秘や下痢といった便通異常が引き起こされ、腹痛が起こります。
IBSとSIBOの関連性 IBSの方の50%~85%がSIBOを合併しているという研究も報告されています。 体内の慢性炎症や心理的ストレスは腸内環境にダメージを与え、IBS(過敏性腸症候群)の原因を招きます。IBSにより大腸内の腸内細菌フローラの乱れが慢性の炎症を起こし、小腸の機能性障害の引き金をひいたあとに、SIBOが合併する状況を作り出していると考えられています。
リーキーガット症候群とは
リーキーガット症候群(腸漏れ症候群) リーキーガット症候群は、腸管の粘膜壁に炎症が起きて腸壁が脆くなり、腸壁に開いてしまった穴から体内に異物(細菌や未消化物、毒素など)が漏れて入りやすくなっている状態のことです。腸の粘膜は栄養素を吸収する出入り口でもありますが、腸の炎症によりこの出入り口も破壊されて栄養の消化吸収力にも悪影響がおこります。SIBOの原因として、リーキーガット症候群の合併が大きな問題になります。
「SIBO」「IBS」「リーキーガット」の対策
避けるべきこと
- グルテン
- カゼイン
- 精製糖質
- アルコール
- ストレス
- 高FODMAP
こちらも記事もCHECK
【日課にすべき!】腸内環境のセルフチェック方法!
目次腸内環境の状態セルフチェック方法腸内環境が悪いとどうなる? 症状1)便秘、下痢、便通が安定しない 症状2)慢性炎症が起きるまとめ 腸内環境の状態セルフチェック方法 毎日うんちの観察、ダチョウちゃん ...
続きを見る
FOD MAPとは
FODMAPとは
FODMAPは短鎖炭水化物と言われ、Fermentable(発酵性)、Oligosaccharides(オリゴ糖)、Disaccharides(二糖類)、Monosaccharides(単糖類)、Polyols(ポリオール)の頭文字から付けられた4種類の発酵性糖質のことです。
小腸内で吸収されなかったFODMAPは直接大腸内に流れてしまいます。大腸内にたどり着いたFODMAPは、大腸に存在する腸内細菌によって分解・発酵されて大腸内でガスを発生させます。またFODMAPが大腸内に大量に存在すると浸透圧の影響で水分が大腸内に増えてしまいます。
FODMAP食が引き起こす症状
- 腹痛
- ガスが溜まってお腹に張りが出る
- おならが良く出る
- 下痢になる
- 便秘になる
高FOD MAP食品例
オリゴ糖 | 納豆、きな粉、ごぼう、玉ねぎ、えんどう豆、にんにく、豆腐、小麦など |
二糖類 | 牛乳、生チーズ(リコッタ、カッテージ等)、ヨーグルトなど |
単糖類 | はちみつ、果糖ブドウ糖液糖など |
ポリオール | きのこ類、りんご、梨、スイカ、シュガーレス菓子、プルーンなど |
低FOD MAP食事法
低FOD MAPとは 欧州では注目されているIBS(過敏性腸症候群)治療のための食事法です。発酵を誘発する食材を減らす食事法です。
簡単な流れ
- 高FOD MAP食を3週間、完全に除去する
- 高FOD MAP全5種類の糖質を1種類ずつ、各1週間試していく
- いつ、何を、どれくらい食べたらどんな症状が出たのか分かるように食事内容とお腹の症状を5週間毎日記録する
試す食品の量は普通の食事の1食分
飲み物は炭酸水を避けて普通の水を
3週間全ての高FOD MAP食品を除去し、ある程度お腹の調子が改善したところで、犯人を特定するため1種類ずつ高FOD MAP食を再導入していきます。
食べたものとその時の腸の様子を記録しましょう。
低FODMAP食事法の注意点
低FODMAP食事法は、高FODMAP食品を食べない食事方法ではありません。あくまでも、お腹と相性の悪い食品を探るための方法です。
注意したいのは、過敏性腸症候群(IBS)において最初に行う治療方法ではないということです。
高FODMAP食品を控えても症状がよくならない場合は、「食事日記」を見返してきちんと除けていたかを確認します。高FODMAP食品を制限しているにもかかわらず、症状が改善しない場合は、FODMAPが原因ではない可能性があります。
また、進め方によっては栄養バランスが著しく偏ってしまいますので、低FODMAP食を自己判断で進めるのはよくありません。必ず医師や管理栄養士に相談してからはじめてください。
*低FODMAP食療法は全てのIBS(過敏性腸症候群)の方に効果があるわけではありません。おおよそ4人に1人くらいの割合(約25%)で効果があると言われています。他の過敏性腸症候群の治療として薬物療法・心理療法・生活習慣の改善なども取り入れつつ低FODMAP食療法を行う必要があります。
まとめ
- 「腸活」「菌活」を始める前に、自分の腸の状態をセルフチェック!
- ”腸に良い”とされる食べ物は、腸に問題のある人にとっては逆効果に働く可能性がある
- 何が自分のお腹の状態を悪化させているのか、食事内容を見直して避けるべきものを見極めましょう!